レーザー加工機の応答特性を考慮したレーザー照射軌跡の目標軌道生成

摘要

材料に対し，加工の際に発生する熱の影響を低く抑える非熱加工技術のひとつとして，超短パルスレーザーを用いたレーザー加工があげられる.超短パルスレーザーは，従来のレーザー加工で使用されているYAGレーザーやC0_2レーザーといったナノ秒レーザーと比較し，一度の照射パルスの時間が短く，高出力である.そのため超短パルスレーザーは，周辺の非加工部の材料に熱が伝わる前にレーザーの照射点を蒸発させることができる.このような超短パルスレーザーによる非熱加エによって，今まで困難とされてきた加工が可能になることが期待されている.すなわち，超短パルスレーザーを用いたレーザー加工は，丸孔だけでなく，従来サイズによっては難しいといわれていた四角孔をはじめとする様々な形状の微細孔を高速かつ高精度で加工したいという現場のニーズにこたえることができる可能性を有している.しかし，その実現のためには，さらに高速かつ高精度にレーザーを制御する必要がある.