尾側臈切除術における臈切離法の検討一補強材付staplerの有用性—

摘要

尾側膵切除術は膵体尾部の膵腫瘍に対し，悪性 腫瘍から良性疾患まで広く適応される術式である。 しかしながら，術後合併症は高率に認められ，そ の代表的なものが膵液瘻である。日常診療において膵液瘻はISGPF (International Study Group on Pancreatic Fistula)の分類で臨床的意義の あるGrade BとGrade Cを合わせて膵液瘻と定 義されることが多く，その発生率は施設間で異 なっているのが現状である。第42回日本脬切 研究会アンケート集計報告によると，2014年 に全国51施設にて692例の尾側滕切除術が試行 され，膵液瘻の発生率はGrade Bが24.6 %, Grade Cが1.6%と報告されている。